雑記16
多様性
平日のお昼休み。コンビニのパンかじりながらネットを見ている。
豆腐好き君、今日は楽しい豆腐パーティに行こうではないか。
まじっすか!やったね。超楽しみで定時が待ちきれないっす!
会場の入り口でキレイなお姉さんに絹ごしの豆腐を1丁渡され、
好きな食べ方で心ゆくまで頂いて下さいと。
君をトッピングして食べちゃうぞ!と言えるはずもなく会場の奥へ。
様々な醤油や出汁、沢山のトッピング。うわ~何百種類もある!
銀色の食器はピカピカに光って早くこっち来いよって呼んでくる。
定番のネギやおろし生姜、キャビア等の高級食材、牛タンなんかも。
飲み物はビールか日本酒か。はたまた水にお茶、豆乳の選択肢もある。
僕が取ったのは、おろし生姜に醤油を少し垂らすだけ。飲み物は麦茶。
白Tにジーンズ、白い歯の爽やかな笑顔で颯爽と歩く。
豆腐界の爽やかハンサムボーイ()を彷彿とさせる僕の豆腐。
彼が取ったのは、皿に溢れんばかりのピラミッド。4500年の歴史。
十二単、眉化粧にお歯黒、しゃなりしゃなりと練り歩く。
人類の全叡智を結集させた皿の宝石箱を彷彿とさせる彼の豆腐。
その様子を見た孔子とアリストテレスが笑う。中庸が大事なんだよと。
2人の皿を見たらネギに鰹節と醤油の上品など真ん中の豆腐がある。
そこへ孔子は牛タン、アリストテレスはキャビアが添えられていた。
その4人を取り囲むように見ていた人達の1人とふと目が合う。
何が正解だったのかな?僕の質問に食べていた皿を隠しながら、
「なんでもいいよ」とぼそっと言われた。
帰途につく僕は考えた。
結論は「どうでもいいw」
好きなもん好きなように食ってりゃ正解だろう。
人の食いもんにケチ付ける前に、自分の食いもん必死に食え。
自分の皿に多様性乗っけて、調理して如何に美味く食うかだ。
豆腐は問う。
お前を晒せ。